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今も歌い続けられる沖縄民謡

沖縄民謡の魅力とは?
「民謡の宝庫」とも呼ばれる沖縄。観光の方に人気の「琉球ダイニング地酒横丁」をはじめとする民謡ライブのお店はもとより、地元民が利用する食堂や居酒屋など至る所で民謡が流れています。そこで今回は、沖縄民謡の歴史や魅力に加え、「沖縄民謡界のレジェンド」として知られる大城美佐子さんについてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
沖縄民謡とは?
沖縄にいると度々耳にする「沖縄民謡」。三線から奏でられる音と独特な歌いまわしを聞いていると、穏やかな気持ちになる方も多いでしょう。では「沖縄民謡」とは具体的にどのような音楽を指すのでしょうか。
そもそも「民謡」とは、庶民の生活の中で歌われ、伝承されてきた音楽を指します。数百年も前から歌い継がれてきた民謡も数多くあり、そのため作者不詳ということも少なくありません。沖縄でも豊富な数の民謡が伝承され、今も様々な場所で歌い続けられています。
しかし、「沖縄民謡」と一言でいっても種類は様々です。三線の伴奏がつくものもあれば、太鼓や手拍子のみで歌うもの、あるいはアカペラで歌うものなど種類は多岐に渡ります。明確な線引きがないのも、沖縄民謡の懐の広さと言えるかもしれません。
沖縄本島以外にも、宮古島周辺の宮古民謡・八重山民謡・与那国民謡といったものがあり、場所によって言葉やメロディーに違いが見受けられます。沖縄の民謡居酒屋では、若手からベテランまで多くの民謡歌手が連日のように出演しています。沖縄民謡の魅力をもっと知りたい方は、ぜひ、一度足を運ばれてみて下さい。
沖縄民謡界のレジェンド…大城美佐子さん
沖縄民謡界のレジェンドと言えば、大城美佐子さんです。1936年大阪で生まれ、その後、名護市辺野古で育ち、20歳ごろから古典音楽を習い、1962年に「片想い」でデビュー。独特な歌声を武器に、沖縄のみならず全国にいる多くのファンを魅了してきました。三線の音に吸い付くような、独特の声と歌い回しは、沖縄民謡界の「歌姫」と称されるに値する素晴らしいものでありました。今年1月に、残念ながら天国に旅立たれた彼女の略歴は以下の通りです。
- 1962年にシングル「片思い」でデビュー
- 伸びやかな高音が「絹糸の声」と評価され大ヒット
- 沖縄に戻り、民謡界の至宝、嘉手苅林昌(かでかる りんしょう)さんとデュオを組む
- 嘉手苅さんから「コンビ唄はミサー(大城の愛称)に限る」と言われるほどの名コンビとして活躍
- 芸能生活50周年となる2007年には約10年ぶりにアルバム「唄ウムイ」を発売し、発売記念ライブ・記念リサイタルを開催
- 2017年には芸能生活60周年として、ゆかりのあるアーティストらと共演したアルバム「島思い~十番勝負」を発売
- 2021年1月18日、天国に旅立たれる
沖縄民謡の最後の歌姫 大城美佐子「片思い(訳詞付き)」PVはコチラ
沖縄民謡の名曲3選
ここからは沖縄民謡の名曲のトップ3をご紹介します。ぜひ一度、聞いてみてください。
安里屋ユンタ
「安里屋ユンタ」は八重山諸島の竹富島に伝わる民謡です。民謡居酒屋で流れない日はないと言われるほどの名曲になります。琉球王国時代に実在していた絶世の美女である「安里屋クヤマ」を歌ったものです。
てぃんさぐぬ花
沖縄の人々の「教訓歌」として親しまれている民謡です。親の教えに従うことの大切さを伝える「教訓歌」となっています。
【一番】
「てぃんさぐぬ花や 爪先に染みてぃ 親ぬゆし言や肝にすみり」
この歌詞は「てぃんさぐぬ花(ホウセンカ)でツメを染めるように、親の言うことを心に染めなさい」という意味です。
月ぬ美しゃ
八重山地方から伝わった沖縄民謡です。主に童歌として歌われることが多く、NHKの「みんなのうた」で放送されたこともあります。
【一番】
「月ぬ美しゃ 十日三日」
「女童美しゃ 十七ツ」
この歌詞は「月が美しいのは十三夜/娘が美しいのは十七才」という意味です。
今回は、沖縄民謡の歴史や魅力に加え、沖縄民謡界のレジェンドとして知られる大城美佐子さんについてご紹介しました。
「沖縄民謡」と一言でいっても種類は様々です。沖縄にある民謡居酒屋に行けば、様々な種類の民謡を聞くことができるでしょう。コロナが落ち着いて、沖縄にお越しの際には、ぜひ一度、足を運んでみてください。