グルメ
ジューシー/人参しりしり

前回のオキナワ ソウルフード vol.1ではタコライスのお話をしましたが、、今回は、県外の人には、その名称に「?」と思われること間違いなしの2品をご紹介しましょうね。
特別な食べ物だったジューシー
沖縄では、季節の行事やお祝いの席で提供されることが多いジューシー。お盆には「ウンケージューシー」、冬至には「トゥンジージューシー」を作ってお供えをし、家族の健康と子孫繁栄を願う習慣が根付いています。ユニークな響きの名前は、「雑炊(ぞうすい)」がいつのまにか変化して、ジューシーと呼ばれるようになったという説があります。
ジューシーには、行事やお祝いの時に食べる炊き込みご飯スタイルの「クファジューシー」と、雑炊のような「ヤファラジューシー(ボロボロジューシーとも言う)」があります。もともとは特別な食べ物だったジューシーですが、今では日常的に家庭でも食べられる料理の一つ。コンビニでも、炊き込みご飯のジューシーおにぎりが買えるほどです。
ジューシーは、洗った米に、豚のだし汁や昆布の戻し汁などを加え、人参や椎茸、ひじき、絹さやなどの具材を入れて炊き込みます。味つけは、醤油、塩、みりん、酒などで、豚のだし汁のコクと甘味、昆布だしや具材などそれぞれの旨味が楽しめる奥深い味わいが特徴です。また、加える具材により呼び名が変わるのがユニーク。よもぎ(フーチバー)入りなら「フーチバージューシー」、里芋入りなら「チンヌクジューシー」と呼ばれます。
沖縄のスーパーや土産店に行くと、ジューシーの素が購入できます。洗った米にジューシーの素を加えるだけなので、これがあれば自宅でも簡単にジューシーが楽しめますよ。
オキハムじゅーしぃの素 180g
オキハム フーチバーじゅーしぃの素180g
オキハム 伊江島おっかー自慢のイカ墨じゅーしぃの素 180g
ジューシーは、メインメニューではなく沖縄そばなどの付け合せにだされることが多いメニューですが、「そば処きくや」のジューシーは、地元の人だけではなく観光客にも人気で、早めに行かないと売り切れになることもあるのだそう。
「そば処きくや」
住所:沖縄県那覇市田原1-6-2
電話:098-857-0565
営業時間:11:00~15:00
定休日:水、木、1/1~1/3、5/5、旧盆(日程は問い合わせてください)
人参しりしり
人参をしりしり器(おろし金のようなもの)で、細長くおろしたものを、ツナやポークランチョンミート、卵などの具材を一緒に炒めた人のが人参しりしりです。沖縄では、簡単に作れる日常食として家庭で食べられているほか、学校給食に出たりお弁当に入れたりすることもあるメニューです。
沖縄では、人参をおろすことを「しりしりーする」と言います。この時に使うしりしり器。牧志公設市場の周辺を歩いていると、プラスチックや木でできたものが販売されています。簡単な料理なので、しりしり器を手にれてレシピを検索し自宅で作ってみるのもおすすめです。沖縄で生産される「チデーグニ(黄色い大根)」と呼ばれる島にんじんを買い求めて持ち帰り、人参しりしりを作ってみるのもいいですね。 島にんじんは、30~40センチほどの長さで細長い形状をしており、普通の人参にくらべると甘味があるのが特徴です。
人参しりしりはメインメニューとして出すお店はないので、沖縄のスーパーでお惣菜として販売されているものを購入するか、「沖縄の味 石嶺食堂」を訪ねてみてください。
「沖縄の味 石嶺食堂」
壺屋焼の工房をリノベした沖縄料理のお店「沖縄の味 石嶺食堂」。「焼きてびち」や「軟骨ソーキ焼き」などが名物ですが、「人参しりしり」も人気。にんじんとタマネギ、卵を使ったほのかな甘味のある風味が好評です。
住所:沖縄県那覇市首里石嶺町4-346-1
電話:098-884-9977
営業時間:11:00~14:30、18:00~23:00、金・土18:00~24:00
定休日:不定休