グルメ
あちこーこーの沖縄おでん

おでんといえば一般的には冬の定番メニューですが、沖縄にもおでんがあることを知っていますか? 沖縄おでんは、食堂や居酒屋の定番メニューとして親しまれているほか、コンビニでも沖縄限定の具材が販売されているほど。
沖縄におでんが伝わったのは、戦後(1945年以降)のことです。おでん自体の誕生が江戸時代ごろであったことを考えると、沖縄では比較的新しいメニューといえます。ちなみに、昔ながらの飲み屋街に行くと、50年以上の歴史を持つ沖縄おでんの専門店もあるんですよ。
沖縄おでんとは?
沖縄おでんの特徴は、その具材とスープにあります。大根やこんにゃく、じゃがいも、卵などの定番の具材のほかに、豚足(とんそく)をトロトロになるまで煮込んだテビチ、ウインナーが入ります。お皿に盛り付けたおでんの上には、おでんのだし汁でさっと湯がいた青菜がたっぷり! からしではなく洋風マスタードで食べるのが沖縄風です。
スープ
スープは、ソーキ(骨付き豚肉)と鰹でとった出汁に島マース(沖縄産の塩)のみと、至ってシンプル。煮込む間に具材からしみ出たうまみ成分のせいでスープの色がやや濃く見えますが、一口飲んでみるとあっさりとしたやさしい味わいとなっています。
テビチ
あらかじめ下ごしらえしたものを、だし汁に加えてトロトロになるまで煮込んだテビチ。ふわふわっとした柔らかい食感のテビチは、沖縄おでんの主役ともいえる存在です。
ウインナー
沖縄ではアメリカの食文化の影響もあってウインナーはとても身近な食材。なぜ、おでんの具材として使われるように理由はわかりませんが、出汁で煮込まれたウインナーはジューシーでプリッとした食感が人気です。
青菜
食堂や居酒屋などで沖縄おでんをオーダーすると、おでんのだしでさっとゆがいた青菜がたっぷりとのせられて提供されます。青菜は、ほうれんそうやからし菜、チンゲン菜、空芯菜(くうしんさい)など、その時期の旬のもの。青菜が加わることで栄養バランスがよくなるという、沖縄の食文化の知恵が感じられるアレンジです。
もずく
日本で消費されている「もずく」の95%以上が沖縄産というのをご存知でしたでしょうか。表面のぬるっとした粘りとワカメのような歯ざわりが特徴的で、且つ、体に良い成分が多く含まれているもずく。最近では、このもずくをおでん出汁で食べさせてくれるお店が増えているのです。味変で生姜を加えて食べると風味がガラッと変わるというのも人気のポイントです。
洋風マスタード
和風のからしではなく洋風マスタードが添えられるのも、アメリカの食文化の影響だといえそう。マスタードの酸味のある辛みが、沖縄おでんの風味にマッチすると好評です。
なぜ沖縄でおでんなの?
年間を通して気温の高い日が続く沖縄では、食べ物が傷みやすくなります。繰り返し火を通せるおでんは、食べ物の腐敗をふせぐのにぴったりの調理法だったことから広まったのではないかと考えられています。
沖縄の気候風土や食文化の中で育まれた沖縄おでん。居酒屋で泡盛やオリオンビールのおつまみとして、また、コンビニでテイクアウトして食べてみてくださいね!
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