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沖縄移住の基礎知識/住宅事情

沖縄の住宅事情/賃貸
沖縄というと、県外に住んでいる人からするとパスポートがなくても行ける海外というイメージもあったりします。リタイア後に移住を考えているという人も多く、美しい海と自然に溢れた環境とゆったりとした時間の流れに身を任せたいと思わせる魅力を持っています。前回は、沖縄の仕事事情についてお書きしましたが、今回は、沖縄の賃貸の住宅事情についての基礎知識についてご紹介しますので、参考にしてみてくださいね!
都市部の賃貸物件は安くはない⁉︎
特に大都市圏に住んでいる人であれば、沖縄の賃貸物件を探した時に、その家賃相場を見てびっくりされる方が実は多いのです。ヤフーの家賃相場サイトでは、那覇市、浦添市、名護市が4万円台での表記となっていますが、実際に探してみると、その1万円以上の価格帯が主流となっています。築年数、駐車場、独立洗面台の有無など、様々な付帯条件によっても金額は変わってくるのは当然ですが、沖縄だから、という安易な感覚で探されると、えっ!ということになります。
主要都市部の安さが魅力で、引っ越しを検討したいと思う方も多いかと思います。では、どれくらいの相場なのか、都市別のワンルーム物件のランキングが以下となります。
そして、読谷や宮古島市を筆頭に、海の近くに住みたいと思われる方が探すエリアの相場は、さらに高くなっています。そもそも、物件が少ないというのもありますが、何よりも、せっかく沖縄に移住するのであれば、海のそばに、というニーズが金額にも反映されているという状況ですね。
エレベーターが無い?
沖縄は新築のマンションも多く建てられてはいますが、築年数の古いアパートも多くあります。もちろん、築年数の古いものは賃料が低いですが、基本的に4階建ての物件でもエレベーターがないというのが一般的です。
建築基準法(第34条)では、高さ31m超の建物(約7階以上)に「非常用の昇降機」、つまり「エレベーター」の設置が義務づけられていますが、その建物を利用する人や暮らす人の利便性考えて、都市部では4階や5階の住戸でもエレベーターが設置されているケースが多いのです。もちろん、建設費用と賃料での回収との兼ね合いで、4階建てにはエレベーターを設置してこなかったという事情も実はあります。
都会暮らしの感覚のまま内見に行って、「えっ、4階なのに??」という経験をしないように、お話ししておきました。
沖縄では駐車場は重要ポイント
沖縄は車社会であることから、駐車場もセットで探すことがほとんどです。しかし、部屋の料金相場とは異なって、那覇市などの中心部では東京よりも高い!という駐車場があるのも事実です。これは、那覇の中心部には時間貸駐車場は至る所にありますが、月極駐車場が非常に少ないからです。時間貸駐車場が多いという背景には、土地の相続に絡んでの事情もあるのです。相続の人数が多い場合、土地を分割しても、その後の利用価値が下がってしまうことから、一旦は時間貸駐車場にしてしまうという方が多いのです。ですので、那覇の中心部で駐車場付きの物件を探すのは難しいので、転勤者のほとんどは、モノレールの駅のそばの物件を探すという感じです。
もちろん、駐車場事情については、那覇の中心部から離れるにつれて、この状況は緩和されていきます。1ルームに駐車場1台付き、賃料が5万円という物件が見つかる可能性もあるのです。
バスタブが無い⁉︎
これも沖縄ならではの話かと思いますが、浴槽の無い物件は多々あります。県公衆衛生協会の地球温暖化防止活動推進センターが昨年実施した入浴方法調査で、沖縄県民の大多数が浴槽を使わないシャワー派であったという結果にもあるように、習慣や嗜好として浴槽には浸からないのです。ただ、築年数の浅い新しい物件では、基本的に浴槽は付いていますので、お風呂好きの人はご安心ください。
カード払いの物件は少ない
家賃のカード払いは大都市では一般的はあります。しかし、沖縄では、大手ハウスメーカー以外の場合では、カード払いとなるケースは少ないです。基本的には、銀行口座からの口座振替がほとんどという状況です。それも、都市銀行などは使えないところが多く、沖縄県内の地方銀行しか利用できず、移住などで沖縄に来る際、沖縄県内の銀行口座を作らざるを得ないケースが多いです。ただ、敷金、礼金に関しては、双方ゼロの物件は沖縄でもあります。
沖縄南部の市の特徴
ここまで、沖縄ならではの賃貸事情のポイントをご紹介してきましたが、ご参考までに、南部の3つの市についての特徴をご紹介しておきたいと思います。
那覇市
那覇といえば沖縄の県庁所在地ですので、一番に目が行くところかもしれませんね。そして沖縄の中で人口が最も多いエリアになります。人が多いということは住みやすい環境が整っているということにもなるので、いきなり田舎に引っ越すのはちょっと抵抗があるという方におすすめです。
アクセスについては、那覇空港があるため国内・国外含め色々なところへ飛び立てる便利さがあります。那覇を拠点にすれば旅行などもしやすいでしょう。空港まではモノレールに乗って行けます。これは那覇市で通勤や通学で使う人も多い移動手段です。ただし、利便性が良いため家賃は高め、月極駐車場は少ない、というのが現状です。
豊見城市
豊見城市は、那覇市の南の方に位置し、沖縄好きでないとなかなか知らない地域かもしれないですね。知名度はあまりないものの、やはり那覇空港まで近いので、バスで空港まで行くこともできます。飛行機を使う機会が多くなりそうなのであれば、このエリアもおすすめです。また、2020年に大型ショッピングセンターのイーアス沖縄豊崎(県内だと南部での水族館はこちらのみ)がオープンしたので、ショッピングも食べ歩きも楽しめます。
浦添市
浦添市は、那覇市から北に上がったところに位置し、子育て世代にとっては、名護市同様に人気のエリアとなっています。2019年にサンエー浦添西海岸 PARCO CITYがオープンしたので、さらに、人気は高まっています。
ただ、那覇市内まで自動車で通勤する場合は、朝の渋滞はそれなりに凄いので、その分の時間をみて、早起きしないといけないエリアです。
移住にあたっては、当然ながら、移住の目的というものが大前提にありますが、家賃と利便性を天秤にかけて考えることにはなるかと思います。その時に、自分がこれから納得して住めるだろうと思える地域を徹底的に調べることは大切です。多くの不動産会社で話を聞く、タクシーの運転手さんに尋ねてみる、そして、候補の街を歩きつくしてみるなど。後悔しないように、移住前の準備を怠らずに頑張ってください。
余談ですが、南向きの物件を好む方も多いでしょうが、そもそも、沖縄は亜熱帯地域ですので、クーラーなどの電気代を考えると、南向きがベストというわけではないです。
*ご参考までに、沖縄で利用度が高いといわれている住宅サイトのLive MAXオキナワはコチラ